ベトナム釣行記「レビュー:アンタレスDC右HG」

2016年5月5日

ついにこの日が来た。アンタレスDCを入手した!

そろそろ発売が近いのではと去年の年末からネットサーチしていると、思った通り発売が発表された。悶々と待つこと数ヶ月、4月28日に全国の店舗で販売が開始された。もちろん私はベトナムにいたが、ちょうど妻子が日本に一時帰国していたため、このチャンスを逃してなるものかと少ない預金残高を無視してネット購入し、妻に持ってきてもらうよう依頼した。

5月4日早朝、妻子がベトナムに到着。珍しく空港に迎えに出向く。はっきり言って自分の思考回路は小学生から変わらない。お察しの通り自宅に戻ると早速スーツケースから目当てのブツを出してもらう。大人なので、さすがに空港で取り出すわけにはいかなかった。

ついに、ご対面だ。おそらくベトナムではまだ誰も触ってもいないだろう。

思い返せば、アンタレスは中学生の頃から夢のまた夢のリールだった。いつか自分も手に入れると信じて十数年。ようやく憧れが、現実になった。世界一飛ぶベイトリール、その言葉だけで説明はいらない。

早速近所の空き地で試投してみた。

PE3号を90mほど巻いたアンタレスDCをモレーナ53に載せ、ウェイトチューンしたフロッグ(3/4oz)を結ぶ。

ブレーキは強めからスタート。楽勝に60mは飛んでいく。この時点ですでに目が点になる。かつて体験したことのない飛び具合。一段階ごとにブレーキ設定を弱めていくがバックラッシュする気配なく、確実に伸びていく飛距離に、もはや笑いが止まらない。ベトナムの炎天下の原っぱで、釣竿片手に一人ニヤけるおっさんの方が一般人には笑えるだろうが。

最終的にハンドル100回転を約80%ほどの力で飛ばすことができた。5ftのロッドで簡単に70m、80mを飛ばせるリールであることを脳味噌が受け入れられない。はっきりいってそんなバカな、という次元だ。もっと安全な場所で、長尺竿で、キャスト技術も磨いてと考えると、妄想で結んだルアーは宇宙まで飛んでいく勢いだ。まさに無重力、物理の概念を取り去ってしまった。

私はアブのクラシックリールに惚れており、最新鋭のリールは唯一2014年のカルコン200をバラマンディ汽水使用のために購入したきり。しかし、遠投においては話にならないほどのレベルの違いだ。そもそもなぜだかDCを邪険にしていた。使ったこともないのにコンピューター制御のリールなんて、とハナっから距離をおいていた自分を馬鹿らしく思う。今回最高峰のアンタレスであればDCを試してみたいと思い、実際に購入してみたことは大正解だった。何事も経験は大事。そして次は軽量ルアー用にメタニウムDCが気になってしまうのは自然の摂理だろうか。

ところで私はアンタレスDCを汽水域で使用するつもりだが、箱には淡水専用と記載してある。でも大丈夫、今回のアンタレスも某王様が海水でも使用に問題ないとおっしゃっている。これは私の弟がフィッシングショーで直接王様に質問したことなので間違いはない。もちろんボディはマグネシウムで傷みやすいかもしれないが、仮に多少塗装が落ちてもこの飛距離なら選択はただ一つ、アンタレスDCで決まりだ(後日注記:マグネシウムが劣化しますのでお勧めしません)。

釣具屋さんで試投会を開けば、この飛び具合に私みたいなDC童貞は即バイトすること間違いない。潜在的需要は大いにあると思う。こんなにやばい大人のおもちゃ、久々だ。

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