ベトナム釣行記「フローター将棋池」

2016年7月16日釣行


フクアン地区にある将棋の駒によく似た形のため池、通称将棋池はベトナムのバラマンディフィッシングを初めて体験した場所で、何度通っても特別な思いは変わらない。ザラスプークで特大バイトが出たのもこの池だった。釣行を重ねてようやく人生初めてのバラマンディを手にしたのも将棋池だ。

初釣行は赴任直後でまだベトナムにも慣れていなかった。今では仲間と打ち解けているが、この日が初対面。まだ暗いうちに迎えに来てくれたトランジットに緊張して乗り込んだ。車が向かう先は見当もつかなかったが、夜明けが近づくにつれ車窓に姿を現した広大なマングローブジャングルとサイゴン川水域の霧で白んだ景色に思わず息を飲んだ。何よりも船着場から渡し舟に乗り込み、オンボロの芝刈機エンジンでマングローブ林を颯爽と飛ばして池に向かった時の高揚は一生忘れない。そして池に上陸時、不覚にも水路の壁に手をつき牡蠣殻で右手親指付け根から流血した私をみて、これ使いなとグローブを差し出してくれたm先輩の気さくな優しさが本当に嬉しかった。


さて、今日はおなじみt先輩と、k先輩と三人の釣行だ。徒歩移動が無いことをいいことに、t先輩と私は久々にフローターを持ち込んだ。k先輩は普段バラマンディ釣り堀のみで、天然は今回が初めて。渡し舟に乗りk先輩を振り返って見ると、偏光グラスで目元は見えないが、緩んだ口元から彼のワクワクがビンビンと伝わってきた。いくつになっても感動できる感性やそれを求める好奇心と探求心を熱心な釣り人は皆持っている、と書けば格好いいが、少なくとも私の妻は私をただの釣りキチと考えており、いろんなことを諦めている。おそらくこの2人も今までの釣りへの異常な執着ぶりを見ていると。。。


三人の釣りキチを乗せた舟は将棋池に到着した。池の管理人家族にお土産を渡した後、早速準備に取り掛かった。t先輩と一緒に汗をかきかきフローターを膨らましているとおばちゃんの苦笑いが目に入った。ベトナム語で喋りかけてくれるが、全然わからない。おそらく「日本の釣り人はキチガイだね」かとおもう。


準備が終わり、t先輩に続いて入水。フローター特有の浮遊感がたまらない。まずは水門周りの岸際カケアガリを撃っていく。これまでの経験からバラマンディは沖のマングローブ林でなく、実は岸際に多く潜んでいるのではと考えていたので、今日はそれを確認する絶好のチャンスだ。順に岸と水面の境界線を狙ってルアーを投げては巻きを繰り返したが、特に反応はなかった。その後周辺のマングローブのワンドで窪みなどバラが隠れていそうなポイントを集中的に撃っていく。一通りやったあと、まだ撃っていなかった岸際カケアガリにエリアに移動して、同じく境界線に落としてはトゥイッチを数回やって早巻きで回収という動作を繰り返しながら岸と平行に進んで行く。バス釣りでは着水と同時に出ることも多く、できるだけギリギリに落とすと特に効果的だ。

キャストに慣れて調子よく決まっていた時だった。着水と同時に軽く飛沫が、そして竿がブルブルと引き込まれた!大して引かないが寄せてくるとバラのフッキングが確認できた。そして無事にキャッチ。小さいけど、やはり壁際に着いていたことがわかった。t先輩に釣り方を教えるとすぐにヒット。サイズも同じくらいだ。得意のカウントダウン7の早巻きで釣れたようだ。


一通り壁際を攻めたが後が続かず、またマングローブのワンドにエリアを切り替える。波動の弱いルアーを試そうと持ってきていたワンダーをつけてマングローブの際からフワフワと引いてくると、ひったくるようなバイトの衝撃が手に伝わる。先ほどより良く引くバラで少しサイズアップ。


この直後に今度はkさんがバラをミノーで釣り、全員キャッチとなったが、以降続かず納竿となった。振り返れば時合いでパタパタ釣れた感じだが、何か要因はあったのだろうか?生態の解明はまだまだ時間がかかりそうだ。

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