2019年明けましておめでとうございます。
2018年はプロップベイトとの出会い元年、それは私のバス釣り人生においてトップレベルの衝撃でした。釣果を振り返ってみても圧倒的な漁獲量を叩き出しています。プロップベイトのおかげで一昨年の倍ほど釣っています。
魔法のようにバスを水面に誘い出し容易くバイトに持ち込むプロップベイトのメカニズムを理解したい、その思いでルアーを集め、引き換えにたくさんの諭吉さんが旅立っていきました。
元祖プロップベイトの火付け役といわれるスミスAプロップにはじまり、派生モデルのAプロップシェル、Bプロップシェル、Cプロップをストック。絶妙にフィネスな波動に感動。また喫水線の違いが生み出す魚の反応の差を体感し、フックセッティングを研究しました。
続いて品切れ中のティムコプロップペッパーをプレミア価格でヤフオクから入手。ヒヨコブランド特注のペラは0.8mmもある厚みや独特な穴の形状によってアピールの高い音と波動が出るようにデザインされており、状況によってプロップベイトの使い分けができるようになりました。
そしてグランパのロングP。ホームリバーのフローターで出会ったトッパーさんにオススメされたのは2017年の夏頃でした。当時スイッシャーだと思い込んでいたのと、レアかつ相場も高く手を出さなかったのですが、昨年プロップベイトの威力を体感し、まずは自作でとグランパのペラを仕入れて現行ロングAをロングP化してみました。自作してみて比重、重心バランス、ペラの角度・ねじり調整によるアクションの違いなど、セッティングが非常にシビアでとても奥の深い世界であることがわかりました。試行錯誤の末、自分なりに納得のバランスに仕上げた自作ロングPは10月後半の実戦投入直後にいきなりデカバスをヒットさせ(惜しくもバラし)、ただならぬポテンシャルを感じさせてくれました。
そして12月初旬には南房総野池にて夕まずめにプロップペッパーでキャッチしたのを皮切りに自作ロングPで良型を続々と量産しました。45クラスを筆頭に40アップを5本、翌日の朝も3本、その他サイズ含め計20本以上をキャッチし、初冬にも関わらず夢のようなトップウォーターフィッシングの立役者となった自作ロングP。これをきっかけに本家本元のオリジナルロングPが気になってしまうのは誰しも避けられないことでしょう。
新年早々相変わらずヤフオクで物色していると見慣れないロングPを発見、パッケージにはA.H.P.L.の文字が。その数分後、今年もまた諭吉さんが旅立って行きました(2個も買ってしまった)。オリジナルセッティングを知りたくて、別売りのオーバルソリッドリング(S)まで買いましたよ、ええ。
さて、いつもの通りイントロが長くなってしまいましたが、ついにオリジナルロングPとご対面し、どうしても知りたかったセッティングの秘密を探っていきたいと思います。
もともとオールドロングAのボディをチューンしていたロングPでしたが、Long-P Culminationはインジェクションボディを作り量産体制を整えたようで、その証拠にボディにはしっかりとブランドロゴがモールドされています。パッケージ表面のステッカーといい、このBig-Oのようなロゴといい良きオールドスクール感がサンプリングされていますね。
お待たせしました。以下、grandPa! Long-P Culmination A.H.P.L.コラボカラーの身体検査結果です。
各パーツ重量:
オーバルリング(S)0.2g x 2コ
フロントフック(サイズ#1/0) 0.89g
リヤフック(サイズ#1)0.66g
ヒートン 0.4g x 2本
ペラ(測定結果0.6mm)1.68g x 2コ
ボディのみ 9.56g
ワッシャー小 0.05g x 3コ
ワッシャー大 0.18g
全重量:16.0g(オーバルリング含む)
上記を踏まえ気づいたことをコメントします。
自分なりのベストセッティングを施した自作ロングPはやはり「ロングPもどき」でした。市販のグランパオリジナルペラ(GP-LP001)は0.4mmで重量1.08gです。現在0.8mmも販売されているようですが、オリジナルロングP搭載の0.6mmは未発売です。ですので同じような重量バランスを出すためには0.8mmを削って薄くするか、0.4mmペラに重りを貼るなどするしかありません。また、フロントペラの穴が中心を外して片ペラ側に寄せて空いています。さらにリヤヒートンのみ若干軸が曲げてあります。この二点はデプスのリアライザープロップの構造と類似しています。見た感じリアライザープロップのリヤヒートンもセンターオフセットされており、それにより直進性を高めているのではないでしょうか。最近ではバンタムのトリプルインパクトでもオフセットヒートンが同じ理由で採用されています。デプスHPいわく、穴がオフセットされたプロップはボディに微振動を与え、バイトを引き出することに貢献するようです。
私はオールドボーマーも、1stロングPも持っていないのでCulminationモデルのみの特徴かどうかは断言できませんが、私がチューンした現行モデルAに比べて最頂部のボディ幅が約1mmほど薄くなっています。よって自作ロングPと比べて体積が小さく浮力が抑えられています。私の実験室(風呂場)で浮かべてみると、浮き角はお尻が下がり気味で自作ロングPとは全然違うセッティングでした。パッケージ記載の通り着水後はふわーと浮くスローフローティングとなっています。ちなみに自作ロングPキンクロは16.8gあるわりに浮きスピードが本家よりも早く、かつ水平に近い浮き姿勢です。
ラインをスナップで接続しアクションさせてみると、オフセットされた穴の効果か、ボディーの頭部を発生源としたローリングを伴うバイブレーションが見受けられました。小魚のような生命感あふれる波動を生み出し、それでいて安定して引くことができるバランスとなっており、うーんと唸ってしまいました。またペラのセッティングにおいてはフロントペラの開きがリアの開きに比べて広いこともAプロップやプロップペッパーとは真逆でユニークな点です。ベースのロングAはボディのフロント部がリヤ部に比べて随分と太いため、フロントペラを開き水の抵抗を増やしてもペラセッティングのバランスが決まり、そうすることでオフセットされたフロントペラが生むバイブレーションを最大化することができる、ということでしょうか。
リヤフックが小さいのは、重量バランスのためもあるとは思いますが、リヤフックがボディに乗り上げて引っかからない絶妙な長さになっています。自作ロングPは両フックを#2/0にしているため、たまに引っかかってしまいます。それでもビッグバスがヒットした時の安心感はありました。オリジナルロングPのリヤフックは太軸ではありますが、やはりリングをつけると安心かと思います。
総評としましては、グランパ大野さんの長年のトライアンドエラーの賜物として完成したシステムをロングPの様々な箇所に発見し、それがCulmination 「集大成」の意味だと理解しました。今回の解剖調査でプロップベイトの真髄に一歩近づけたと思います。やはり自作のコピー品とは違う存在価値をオリジナルロングPはしっかり確立しており、思い切って購入して大変勉強になりました。正直なところA.H.P.L.コラボであることを加味しても一個5,000円はプラルアーとしてはさすがに高すぎるかと思いますが、そんな強気な価格設定もロングPがもたらす釣果への自信の表れでしょう。少し厚めのオフセットペラが生み出す波動と振動により自作ロングPよりもややアピール強めのパイロットルアーとして活躍してくれることを期待しています。
書き連ねてみましたが、釣れるかどうかは魚に聞くまでわかりません。
果たして最強のプロップベイトはどのルアーでしょうか。ランカーバスが動きだす春の訪れが待ち遠しいです。
コメントはまだありません