ベトナム釣行記「タイ・チャドー遠征①:出発」

2016年9月初旬


 ジャイアント・スネーク・ヘッド。名前を聞くだけでゾクゾクさせてくれる。 ついに念願のチャドーリベンジ釣行決行だ。金曜日の夕方便でホーチミンからバンコクに飛んだ。荷物制限ギリギリの計25kg。ロッドはメインとなるモレーナ53とお遊び用にアライくんロッドの二本をバズーカに収納し、アンダーウォーター用にはジェットセッター61Cをスーツケースに詰め込んだ。リールはアンタレスDC HG、カルコン200、アンバサダー2500Cの3つだ。トラブルが起きぬようしっかりメンテナンスを施し、さらに試投して動作を確認済み。過去に釣り場で泣いた分だけ釣り人は成長するのだ。 ラインはそれぞれPE4号、3号、2号。ショックリーダーはメインのリール二つに50ldと、2500cには25lbをFGノットできっちり結んだ。魚に直接触れるフックから順に手元のロッドとリールまで、スプリットリング、スナップ、結び目、ライン、ガイドなど何か一つでも不具合があると、大物であればあるほど取り逃がす可能性が増幅するのが釣りの難しさであり、同時にそれが醍醐味でもある。入念な準備をするところから、すでに勝負は始まっている。 

ルアーは何がハマるか予想できないので、ありったけをタックルボックス2個に分散。事前情報では稚魚ボールを撃つためにクランクベイトなどのディープダイバー系が必須とのこと。新たにラパラCDマグナムと廃番のリストラップをミンタンタックルで購入した。タイにチャドーを釣りに行くことを店主のフイさんに伝えたところ、このリストラップを強くお薦めされたので初めて買ってみたが、キャスタビリティ十分の重量だ。フイさんはよっぽど薦めてくれたので、ほこりをかぶり長期在庫だったこと意外にも何か理由があるはずだ。他にシャッドラップやシーバス用のロングビルミノーを詰めて準備万端。トップはバズベイトがメインとなるようなので、トレーラー用のワームも用意した。


 今回はタイ在住のM先輩に依頼し、彼の知り合いの高津さんという現地釣りガイド兼釣り具屋Barra代表の方に一泊二日のツアーを企画してもらった。目的地はシーナカリンダム、バンコクから北西400kmに位置する大規模なリザーバーだ。チャドーのベストシーズンは8月、9月と聞いていたが、どうやら今年は雨が例年に比べて非常に少なく水位が低いようで、大型魚を釣るために一番有効と言われる稚魚ボール撃ちの肝心のボールが少ないらしい。本来ならダムが満水になるタイミングが最高のようだ。しかし、状況が思わしくなくてもフィールドに立ってやることは同じ。諦めることなく時間いっぱいキャストを繰り返すのみだ。


 深夜1時半に迎えのハイエースが到着し、ロッド、バッカン、リュックを積んで乗り込む。なんともショッキングなことに出発寸前にお気に入りの高級偏光グラスがケースごと無くなっていることに気づいた。どうやら空港移動途中のタクシーに落としてきたようだ(涙)。ありえない、すでにラインブレイクを超える悲しさに打ちひしがれた。それより偏光グラスなしでどうやって釣りすんねん!まあ、パスポート紛失に比べれば屁でもないと、必死でセルフマインドコントロールをして不甲斐ない自分への怒りを鎮めた。 

久々にM先輩に再会し積もる釣り話もあるが、まずは明日のためにと爆睡を決め込む。テンションがた落ちの「サングラス紛失、からの偏光グラスなし釣行」となったこともなんとか記憶から消し去りたい気分だった。途中コンビニに寄って食料を買うついでに店内を見渡すと、なんと偏光グラスを発見!釣りの神様のご加護か、300Bで購入。おもちゃみたいなもんだがこれで大いに助かった。


 朝8時頃、湖畔のロッジに到着した。事前ではホテル泊と聞いていたが、どう見ても掘っ建て小屋にしか見えない。そもそも四方の囲いがないから、ドアもなければ窓もない。トイレはもちろん手桶で水を流すタイプだ。ロッジは水上に浮いており、排泄物は直下へボッチャン。ウンコがティラピアの餌となり、そのティラピアを人間が食うという食物連鎖が想像できる。私はベトナムの経験もあり、どちらかというと大丈夫だが、一般的な日本人では決して快適とは言えないだろう。


 宿泊環境はさておき、メインは釣りだ。早速タックルを準備して木造船に乗り込む。初日は私がガイドの高津さんと同船してチャドーの釣り方をレクチャーしてもらうのだ。船頭が一人付いて、草刈りエンジンとオールで操船してくれる。もう一船にはMさんが日本人駐在員のOさんと同船した。私はOさんとも初対面だが、彼のタックルと格好を見れば相当やり込んでいるのが一目瞭然だ。こうして4人の日本人釣りキチ達は広大な湖面にオンボロボートを走らせた。遠くに山々が連なる360度の大自然に身を投じれば、日常の悩み事など遥か忘却の彼方へ。蛇頭魚 vs 釣り師、両者野獣の真剣勝負のはじまりに胸は高鳴るばかり。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です